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暗い ライト

エレベーターに私が先に乗りました。

後から若いお兄さんが、駆け込んできました。

私は一生懸命『開』ボタンを押して待っててあげました。

無言で乗り込みました。

『?』と思いましたが、ま、ま、ま、と心を落ち着けました。

目的の階に着きました。

私はまたもや『開』ボタンを押しながら、若いお兄さんを先に出しました。

会釈もなにもなく、香水の残り香のみを撒き散らし、無言で去って行きました。

私はエレベーターガールではありません!

エレベーターおばちゃんでもありません!

どうして、会釈一つ、ありがとう一つ、言えないのかな。

彼が身に付けなければならないのは、マナーであって、香水ではありません。

この若いお兄さんが、軽い会釈をした場合、私は笑顔になり、気持ちよ~く『いえいえ~』という感じで送り出しましたよ~。

すいません
ありがとう
ごめんなさい
恐れ入ります

何千回言おうとも減りませんよ~

著者について 田川理穂
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